最初は苛々と大人げなく、
自分の足りなさを認められない、かたくななセロ弾きのゴーシュが、
夜な夜な現れる動物達と接してゆくことで、
知らぬうちに少しずつ、開けてゆく。
いずれDVDを手に入れたいと思っている大好きな映画である。
ゴーシュがまだまだ『閉じている』時期に訪れる猫は、
熟れていない青いトマトを抱えてやってくる。
おみやげです、なんて、しゃあしゃあと言う。
俺んちの畑のトマトじゃないか熟れる前にもぎやがってムガー!とゴーシュは怒り、
生意気を言う猫に、ちょっとした報復をくらわせる。
猫には非常に気の毒な事態になるが、つい笑ってしまう。
私は先日友人から幾つかの野菜を頂戴した。
(ちなみに彼女は可愛らしくとても良いひとで、野菜も青いトマトではない/笑)
実は私は非常に面倒くさがりなので、いつもなら生もののおすそ分けを断るたちである。
調理せずに駄目にしてしまう事が見えて、いのちに、育ててくれた方に申し訳ないからだ。
今回も一瞬、そうしようと思った。
だけど彼女の『おばあさまの畑で採れた』という言葉に触手が…。
…実に、実に現金である。ごめんよ。
田舎で過ごした子供時代に口にした野菜の殆どは、『裏の畑』のもの。
おひさまと土の香りがするのが当たり前だった。
大きな街に越してから一番がっかりしたのは、野菜の味だった。
整えられた形の野菜は美しく、おいしくないわけではないのだけれど、なかなか馴染めなかった。
(綺麗なお野菜を作られている方々に、ごめんなさい。)
可愛いお芋と南瓜、真っ赤なトマト、つやつやとした茄子。
見事なまでにおひさまの香りがした。
彼女のおばあさまの愛情や、費やされた時間を、しみじみと想った。
まずトマトを冷やして切り、母の前へ。
滅多に無い事に、『雨が降る』と言われた。
彼女もまた、田舎時代の野菜が恋しい人である。
一緒にしみじみといただいた。
次に茄子を浅漬けに。
『槍が降る』と言われた。
…ワタクシ初の漬物トライ。快挙である。
これもお夕飯に美味しくいただいた。
友人と、友人のおばあさまのお野菜は、ぐうたら者に魔法をかけた。
本当にありがとう。
さあ、お芋と南瓜はどんな風にいただこうかな。
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